住宅の屋根を利用して太陽光発電を行う場合には、屋根に架台とよばれる部品を設置したのち、その上に太陽電池のモジュールを据え付けるという方法をとるのが一般的です。さらに、太陽光発電による電気というのはそのままでは直流になっていますので、これを家庭でも使えるような交流の電流に変換するためのパワーコンディショナーとよばれる小型の装置を、住宅の内側や壁面などに取り付けて、太陽電池のモジュールと接続します。はじめから新築住宅で太陽光発電を行うことが予定されている場合については、屋根一体型とよばれる太陽電池のモジュールを用いることもあります。こうした住宅の屋根を利用した一般的な太陽光発電のための機器は、総重量が500キログラム程度にはなりますが、通常は特に問題なく稼働させることができます。
建築基準法の規定により、屋根をはじめとする住宅の主要な部分は、荷重や風圧、地震その他の振動にも十分安全に耐えられるよう、あらかじめ構造耐力の計算をした上で建築されているからです。ただし、一部の古い住宅の建物などでは屋根が重さに耐えられない場合も考えられますので、事前にどの程度の重さまで耐えられるかどうかなどを調査したのち、屋根の補強工事を行うなどの適切な措置をとれば、新築住宅と同じように、太陽光発電のための設備を設置することは可能です。そのほか、雪の多い地域などでは、屋根の軒先に雪のすべり止めを付けるなどの特別な工事をすることもあります。